夏の盛り。
”暑い”と有名な京都市内を通り過ぎ、標高650メートルの歴史の山、比叡山にたたずむホテル「星野リゾート オーヴェルジュ ロテルド比叡」に行ってきました。
ホテルのパブリックスペースについてのエントリーはこちらです。
星野リゾート オーヴェルジュ ロテルド比叡:一歩足を踏み入れた瞬間から極上の空間
ホテルのお部屋の中についてのエントリーはこちらです。
星野リゾート オーヴェルジュ ロテルド比叡:部屋の中へ
アクティビティ「ワインテイスティング教室」についてのエントリーはこちらです。
星野リゾート オーヴェルジュ ロテルド比叡:アクティビティに参加「ワインテイスティング教室」
モーニングについてのエントリーはこちらです。
星野リゾート オーヴェルジュ ロテルド比叡:モーニングの前も後も楽しめる朝
オーベルジュと言えば一番の目的はディナーにあります。
早い話が、お料理自慢の宿ということですので期待せずにはいられません。
世界最高峰のフランス料理大会「ボキューズ・ドール」で2013年に3位に輝いた日本人シェフが率いる軽井沢のレストラン「ユカワタン」の流れを踏襲しているという謳い文句にも惹かれます。
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ロワゾ・ブルーでのディナー
ロテルド比叡には大きく3つのレストランに分かれていて、ワインテイスティング教室が開かれていた大広間的な「レ・シャン・ド・ブレ」
お茶教室が開かれていた、ティーサロン「カフェ・ド・レレル」
そして、この日のディナーを頂いたのは、少しこじんまりとしているけれど、周りを気にしないで食事ができる「ロワゾ・ブルー」です。
「ロワゾ・ブルー」への入り口は、まるで鳥居を想像させるようなエントランスになっています。
比叡山 延暦寺を巡っていた時に見かけた鳥居や、琵琶湖側に山を降りると崇神天皇7年に創祀されたと言われる由緒ある神社 日吉大社の鳥居に倣っているように思えます。
しかし、レストラン内はそんなに格式ばった雰囲気ではなく、やさしい家庭の温かみも感じられるインテリアとなっています。
コースメニュー
ブルーの映えたアンダープレートが素敵です。
お取り皿もかわいい。
最初に、食前酒が出てきます。アルコール or ノンアルコールを聞かれます。私はアルコールで。
するとラズベリーが入ったスパークリングが出てきました。香りがとてもよく、軽い発砲とほんのりとした甘さが食欲を掻き立てられます。
側面からみるとこんな感じ。赤みの強いピンクがかわいらしいですね。お取り皿とまるでお揃い。
食前酒のおつまみ。
カリカリに焼いたチーズに枝豆が入っているもの。ほんのりとしたブラックペッパーの風味にお酒が進みます。
アンダープレートが下げられると、なにやらこんなものが置かれました。オブジェ?何に使うのかなぁ?
すると、これは「比叡の山々を表している」との説明がありました。
そこに「近江から5種のアミューズ」が雲をかたどったお皿に乗せられてセットされます。
一番左は、琵琶湖でしか捕れないビワマスです。
二番目は、なんとこれはスープなんです。口の中に入れるとコンソメのよく効いたスープが、プチっとジュレが弾けた瞬間に口の中に広がります。
三番目はお魚。
四番目はクロケット。つまりコロッケ。
最後五番目は焼き菓子。プチ・フィナンシェ
ここで気付いた方は、かなりのフレンチ料理通!
一番目が前菜・二番目がスープ・三番目はお魚・四番目はメインディッシュ・五番目はデザート。
つまりこのお皿の上だけで、小さなフレンチ料理のコースが出来上がっているのです。
なんというアイデア!
次に、鮒ずしが出ました。
鮒ずしの表面は、地元琵琶湖でとれた貴腐ワインのジュレ。真ん中は鮒ずし。下にはフロマージュブランです。
発酵食であるワイン・地元の伝統発酵食の鮒ずし・発酵食の代表格チーズ 発酵づくしです。
ジュレの透明感が琵琶湖を模しているようで、とても美しいひと皿でした。
そこに添えられたパンが、鮒ずしの鮒の好物である「葦のパン」です。
なんとウィットに富んだ献立。見事な食物連鎖のヒエラルキーですね(笑
次は「トマトのデグリネゾン」
コーンをベースにしたスープに、地元産のトマトはほんのり甘くして入っていました。
トマトもそのままのものもあれば、プチッとしたジュレにしてあるものもあり、同じトマト料理でも食感の違いに富んでいて楽しい一皿。
スープの底にはかすかにペーストされたコーンも沈んであり、ペースト・スープ・トマトのこれまた3つの食感の違いもあり、何重にも触感が口の中で変化するという面白さを味わえました。
「香魚のフリット 夏葉のソース」
スープで触感のバラエティを味わった後は、パリッとしたフリットの触感に代わります。起伏のある触感の変化が本当に面白いコースです。
「大根の冷たいスープ わさび風味」
大根のスープというのは面白いです。ベースはビシソワーズなのですがそこに大根の味もちゃんと存在しているスープです。
夏ならではの冷たいスープは喉越しも良くて食が進みます。
「和牛フィレ肉のロースト ロッシーニ風」
ロッシーニ風とは、牛ヒレ肉の上にフォアグラを乗せ、マデラ酒とトリュフエッセンスを効かせたデミグラスソースかけです。牛肉が好物だった作曲家のロッシーニがとても好んだメニューです。
”和牛”と書かれていたので、「近江牛ですか?」と尋ねたところ残念ながら近江牛ではありませんでしたが、しかしとても質の良い柔らかいヒレ肉で、これまでさんざんたくさん食べたのにも関わらずペロリと平らげてしまうほど美味しいお肉でした。
また、レストラン内に流れていた音楽が、さりげにロッシーニの曲だったのがにくい演出です。
この後、デザートが3皿も出てきました。
まずは、名産であるお茶を使った「緑茶と漬け飯のグラニテ」。濃いお肉を食べた後に抹茶というのは喉ごしが”サラッと”するので良いですね。
また、漬け飯は入っていることを感じられないほどの感触の甘味で、緑茶をしっかりと引き立たせていました。
「桃のコンポート ベルベーヌの香り」コンポートとは言え、甘さ控えめで少ししっかり食感が残る様に煮てありました。
甘さ控えめですが、甘みがほしい場合は底のほうにあるクレームブリュレがサポートしていて、桃を邪魔しない・サポートぶりが素晴らしいお味でした。
最後は「小菓子とコーヒー」です。
比叡の雲を模したお皿に、ちょこちょことつまめる3品です。
感想
期待以上のものでした。
コースも素晴らしいですが、お料理を運んでくれたり説明してくれるソムリエの方がとても素晴らしかったです。
お料理の説明はもちろんですが、私が「次に出てくるお料理に一番合う 白はなんですか?」「次のお料理に合う赤はなんですか?」と尋ねると、まったくもってぴったりなワインを勧めてくれました。
1度だけちょっと欲を出して、自分が白を選んでみましたが・・・ワイン自体は確かに美味しいのですが、お料理には合わずワインばかりが主張してしまって、うーんやっぱり失敗だったなぁと思ってしまったのです。
次に出てくるお料理を把握していて、それに合い、かつお値段がそこそこお手頃なものを選んでくれるのが、一層食事を引き立てて、味わい深いものになりました。
やはり分からないことはプロに任せるに限ります。
あとは、やっぱり知ったかぶりをしないで、素直に聞くことですね。
また、最後のほうはワインが美味し過ぎて少し酔ってしまったので、ペリエを注文しました。
すると、750ミリリットルのサイズが出てきて「あら・・・お料理の最後のほうにこんな大きなペリエ・・・飲みきれないなぁ」と思ったのです。
しかし、ソムリエがワインの袋に入れて「続きはお部屋でお楽しみください」と言って渡してくれたのです。
持ち帰りさせてもらえる気遣いと、それができるオーヴェルジュという場所ならではのサービスです。
それと、帰り際にお土産を渡してもらいました。
家に帰ってからもさらに楽しめるコース構成になっていました。
旅を終えて東京に帰ってきてから、お菓子とお茶をいただきながら、こうやってブログを書くお供になりました。こんな心遣いが嬉しいです。
ディナーがこれだけ素晴らしかったので、朝のモーニングメニューも期待できます!
モーニングメニューについては別の記事で。
モーニングについてのエントリーはこちらです。
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アクティビティ「ワインテイスティング教室」についてのエントリーはこちらです。
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