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ブックレビュー 「あん」 ドリアン助川著

2016-01-01 09.28.51

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今週読んだ本 2016/1/3 ~ 2016/1/9

([と]1-2)あん (ポプラ文庫)
ドリアン助川
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「あん」とは

ドリアン助川氏が書いた小説です。
先日、映画版を観に行ってから、原作が読みたくなりました。

また映画を観たよ~とFacebookへポストしたところ、友人から「2015年 読んで良かった本のベスト1だったよ」とコメントをもらって、ますます読みたくなりました。

ストーリについては、映画のレビューの記事をご参照ください。

映画「あん」を 渋谷アップリンクの「見逃した映画特集2015年」で観てきた | さゆりっぷ

原作を読んでみて

よく、テレビで連続ドラマとして放送されていた作品が映画化されてがっかり・・・とか、小説が映画化されてがっかり・・・などという話を聞きますが、映画を観てから原作を読んだとしても、その逆だったとしても、あまり違和感の無い感じがしました。
映画は約2時間の作品という時間的制約があるので、どうしても割愛する部分が出てきますが、大切な部分はほぼほぼ原作通りでした。
逆に細かなディテールを補足するために原作を読んで良かったと思います。

このドリアン助川という人は、作家・詩人・道化師・ミュージシャンという多様な顔を持つ人です。
特に「叫ぶ詩人の会」というロックと詩を融合させたパフォーマンスをしていたことが有名です。
そうなんです。この人、詩人です。
小説内の言葉が詩的で美しいのです。文章を追っているだけで、四季の桜並木のそこはかとない美しさがぱぁ~っとイメージとして広がるのです。

言葉が美しい人の一人として、はあちゅうの言葉の選び方が好きですが、少しテクニシャン的なところがる一方、ドリアン助川はストレートで美しいのです。
餡子になる小豆を煮る前に、小豆を一粒一粒選別して不要な豆や、餡に向かない豆を取り除きます。
その作業に似て、ひとつひとつの言葉が美しくテラテラと宝石のように輝いているのです。それはきらびやかというよりも少し遠慮がちで控えめな美しさなんですよね。

詩人の言葉選びはなんて美しいんだろうと、ストーリーを追うのと共に少し離れて俯瞰した時に整然とした美しさを感じる小説です。
そして、この小説を読み終えた後、優しい気持ちになれるのは、やはり言葉の輝きのおかげなんだろうなと思うのです。
ドリアン助川の他の小説も読んでみたくなりました。

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