富山県南砺市福光町にある「石黒種麹店」さんへ、種菌を買いに行ってきました。
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もやし屋とは
日本の発酵食品の代表格の味噌や醤油は、米や大豆、麦に麹菌を植えた「米麹」「醤油麹」「麦麹」が欠かせません。
その麹を作る際に菌が必要となり、その菌自体を作って売っているのが、もやし屋と呼ばれています。
日本の「国菌」である麹菌ですが、今現在 このもやし屋は日本で6件しかありません。
その一つが「石黒種麹店」さんです。
なぜ東京から4時間もかけて行ったのか?
上野発 10:38 HAKUTAKA 559号に乗り新高岡駅を目指します。
新高岡駅 13:25に到着し、在来線 城端線 新高岡駅 13:48に乗り換えます。
福光駅 14:32着
そこから、徒歩約10分で到着します。
およそ4時間の行程です。
なぜわざわざ4時間もかけてお店まで行った理由は、米麹やお味噌・甘酒はネット販売で買えますが、その素となる”種菌”は買えないのです。
お店に到着して、お店の方に「種菌が欲しい」と言った途端、「はぁ?なんだか訳の分からない客が来た」という雰囲気満載でした。。。
「あなたが欲しいのは、米麹?え?何を作りたいの?」と聞かれ、「甘酒の素になる米麹を作るための種菌です。粉のやつです〜」と言うと更に「え?甘酒は米麹から作るのよ」と(笑
はい、説明が悪かったです(笑
「麹を作るので、種麹が欲しいのです」
そう言った途端、お店の方(実は社長の奥様)は奥から社長を呼び出して来ました。
おかげで、そこからたっぷり2時間、普通は聞けない貴重なお話しを聴くことが出来て、わざわざ来た甲斐があったものだ!と感激することになるのでした。
充実した時間
石黒種麹屋さんに行って来ました。甘酒用と醤油用の種菌を買いました。名物と言われる社長さんにお会いできて、いろいろお話しを聞かせて頂きました。最近、麹蓋で醸すと失敗する確率が高く、ステンレスのバットで醸していました。社長さんに麹蓋で醸…
梅村 小百合さんの投稿 2018年10月11日木曜日
“甘いのに優しい”味
お話しを伺っている間、米麹と甘酒を試食させていただきました。
▼米麹
良い米麹と出来のイマイチの米麹の見分け方は、この3つで分かります。
・菌糸がフワフワであること
・触る(ほぐす)こと
・食べてみること
『固まっているけれども手でほぐすとポロポロと崩れる』というのがベストな状態です。
最初からポロポロでほぐしてもポロポロは、イマイチ。
固まっているが、ほぐしても固まっているのもイマイチ。
食べてみると、ほろほろと噛み砕けること。
石黒種麹店さんの米麹は素晴らしかったです。
▼菌糸がフワフワな麹蓋の米麹
写真では伝わりにくいのが残念ですが、カシミヤのようにフワフワです。
これをひっくり返しても、絶対にこぼれ落ち無いのです。
固まっているからです。
しかし、ほぐすとポロポロと崩れます。
職人の技、その美しさを目の当たりにして、感動したのは言うまでもありません。
▼石黒種麹店さんの米麹
実は、私は売っている甘酒があまり好きでは無いのです。理由は、キーン!!!と来る攻撃的な甘さのある甘酒が多いからなのです。
最近でこそ、甘みを抑えて酸味のある甘酒が少し出回る様になりましたが、世間では逆にそれは”饐えた甘酒(すえたあまざけ)”として出来損ないとして扱わられケースが多く、どうやら消費者のウケは良くないみたいです。
しかし石黒種麹店さんの甘酒は、甘いのに優しいのです。
思わず「なにこれ!甘いのに優しい!!!」と叫んでしまったら、社長さんが「俺みたいでしょう?」と嬉しそうにおっしゃっていました。
(吹きましたがw)
まずしっかりした甘さなのですが、まろやかな甘さなのです。今までの人生で味わったことの無い柔らかな甘さでした。
感激して思わず買ってしまいそうでしたが、旅はまだまだ続くので、温度管理が出来ない都合上その場で買うのは諦めました。
まとめ
・甘酒用として白色の種菌
・醤油・味噌用として緑色の種菌
2つ購入しました。
社長さんに「これはプロ用なので大袋しか無いんだよ」とおっしゃっていました。
醸します、醸しますよ!
醸す時の種菌の量、温度管理の注意点、麹蓋の扱いのコツをしっかり教わりました。
お店を出る時に社長さんが「こんな風にモケモケに出来たら連絡ちょうだいね〜」と。
「いやはや、あんな見事な発芽は、、自信ありませんが頑張りますw」と答えました。
すると「モケモケにならなかったり、分からないことがあったら聞きに来なさい。」と送り出してくださいました。
こんな素晴らしい技を持った第一線の方から、直々にお話しが聞けて、4時間かけて行った甲斐があった豊かな1日となりました。
心より石黒種麹店 社長さん、奥様に感謝いたします。