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今週読んだ本 2015/12/27 ~ 2016/1/2
なーんだ、マンガか・・・と言うなかれ。
最近のマンガは、いえ、昔も今も歴史背景や資料をよく調べていて、下手な本よりも分かりやすく、読みやすく描いています。
「乙嫁語り」8巻 森 薫 著
KADOKAWA/エンターブレイン (2015-12-14)
売り上げランキング: 59
乙嫁語りとは
「乙嫁語り」は19世紀後半の中央アジアが舞台です。
足を骨折して入院・療養していた時に、マンガに関わらず散々中央アジアの歴史にハマっていて、紀元前から近代まで中央アジアに関わる本を読み漁っていました。
その時に出会ったのがこの「乙嫁語り」
乙嫁とは、「弟の嫁」「年少の嫁」を意味する古語なんだそうです。
物語の主人公は花婿カルルク 12歳。と花嫁アミル 20歳。
8歳も年上の姉さん女房です。しかも、花婿がまだ12歳・・・。
結婚したからといっても世に言う夫婦となるには時間がかかります。ゆっくりと時間をかけながら絆を築く過程がストーリーの柱なのです。
柱があれば枝葉があります。
この二人を巡って、いろんな人が登場してそれぞれの人生も絡んできます。
部族の抗争あり、花嫁修業についてのドラマあり、市井を描いたパートあり。
二人を縦糸に、関わる人々を横糸にした、まるでゴブラン織りのような重厚なストーリーになっています。
8巻までのストーリーについては、Wikipediaをご参照ください。
乙嫁語り 8巻
KADOKAWA/エンターブレイン (2015-12-14)
売り上げランキング: 59
年末の大掃除の際に、不要になって本をAmazonマーケットプレイスで売りに出したところ、8巻(2015年12月末時点での最新刊)が出ている事に気付き、うっかりとポチってしまいました。
kindle版なので、ポチればすぐに読めてしまうのが恐い素晴らしいです。
大掃除そっちのけで読みふけってしまい、よくあるパターンにまんまとハマったわけですよ。はっはっは!
今回の巻は、主人公の二人と言うよりも、その周りの人々が描かれている巻です。
前半は、ペルシャの富豪の夫人アニス、アニスのたっての願いで第二夫人として受け入れられたシーリーン、その夫の三人。
いやはや、シーリーンの様に美人・ナイスバディ・性格温厚・誰にでも動物にも好かれるというパーフェクトな女性を第二夫人として迎え入れたにも関わらず、第一夫人のアニスを愛して止まない夫が凄い。
2015年の後半は、戦国時代の武将について時間があると調べていたのですが、どの武将も正室に側室にいったい何人関係を持った女がいるのだ???とうんざりしていたところだったので、このアニスの夫に惚れそうになったよ。ほんと。
織田信長は比較的女性を大切にしたり、女性の才能に目を向けていた人物だったようだけど、豊臣秀吉、伊達政宗、特に伊達政宗の重臣である片倉小十郎などは勇猛果敢過ぎてこれまた惚れそうだったけど、やっぱり関係する女性はいっぱい・・・
まぁいつ死ぬか分からないので、一人でも多く子孫を残したいのだとは分かるので、比較してはいけないのよねぇ。
武将の話しはさておき。
後半は、表紙の絵にもある、パリヤのお話し。
ぶきっちょで、花嫁の条件である刺繍が大の苦手。素直過ぎて口が悪いときたもんだ。
でも、カワイイところがいっぱいあって、決して憎めない女性です。
そのパリヤ。。恋する乙女はどんな人も頑張れます!ふふふっ。
パリヤの願いが成就すると良いなぁと。(8巻では成就してないのだよーん)
まとめ とにかく美しい描写
「乙嫁語り」は2014年のマンガ大賞を受賞した作品です。
搭乗する女性たちが身に着ける民族衣装が、モノクロ画面でも想像が膨らむように緻密に描かれていて、それはそれは美しいのです。
例えば、何重にも重ねられた衣装の下はどうなっているのか?覗いて見たくなったりしませんか?
韓国のチョゴリ、平安時代の十二単。そして、この乙嫁語りにでてくる民族衣装は何重にも重ね着されています。
その下って一体どうなっているの?と隠されれば隠されるほど知りたくなるのです。
それはエロではなく、隠される事によって掻き立てられる好奇心というところでしょうか。
一体どんな風習でどんな生活を送っていて、どんな悩みがあり楽しみがあり、それを垣間見せてくれる、好奇心旺盛な人にはくすぐられるマンガです。