切ないほど、美しい夕暮れ
陽が沈んだ後は、あっという間に暗くなっていく。
気温もぐっと下がり、じっとしていると凍えそうになる。
足元はどんどん暗くなっていく。
ガイド兼ドライバーさんが、ヤバパイ・ポイントの近くに車を回してくれていたので、早々に乗り込む。
車の中が暖かくてホッと一息ついた時に、そう言えば朝ごはんを食べたっきりで何も食べて無い事を思い出した。
ガイドさんが、温かいパン(ピザの生地みたいなのを揚げてある)を用意してくれていた。
車に乗り込んだ後は、針葉樹の中を抜け、
そして再びただひたすら砂漠の中を通り抜けて帰っていく。その時に見た夕暮れの空が胸がいっぱいになるほど美しかった。
しかし、デジイチは日没とともに無念の電池切れ。走っている車の中から、スマホのカメラでは到底撮れなかった。
眠りもせず、ただ黙ってその夕暮れの空を見つめ続けた。忘れない様に。
いくつか前の投稿で、この厳しい環境を捨てて移住しようとするナバホ族の人は少ない事を書いた。
ふと、毎日こんなに切なく美しい夕暮れが見られるのなら、私がナバホであってもやはり離れたく無いと思うだろう。
たとえば、東京に住んでいる人が「東京の街の空は汚れているというけれど、朝焼けの美しさは何とも言えない」と思うのと同じ様に、
富士山の麓に住んでいる人が、夕陽に照らされた富士山は何物にも代えがたいと思う様に
奄美の澄んだ海を日常の様に見て育った人が、海を見るたびに懐かしいと思う様に
ナバホの人達は、この切ないほど美しい夕暮れをいつまでも見て暮らしたいと思うのではないだろうか。
夕暮れに見惚れながら、必ずもう一度この地を訪れようと思った。
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