高田郁著 「あきない世傳 金と銀」源流編 の続編です。
3巻目の記事はこちら
『あきない世傳 金と銀』奔流編 高田郁著:ようやく出た新刊!
前回、主人公「幸」が奉公する呉服屋 五鈴屋の四代目徳兵衛は新妻を放って女遊びにのめりこみ、元々商売の才覚が無いために店は傾く一方。大店から輿入れした嫁 は2年辛抱したのですが、愛想をつかして実家に帰り離縁を突き付けられるところまででした。その続きになります。
結局、離縁せざるを得なくなった徳兵衛は承諾するも、持参金を返金しなくてはならなくなり、ただでさえ傾きかけた五鈴屋にそんな大金は用意できるはずもありません。
大阪 天満の呉服屋の寄り合い、まぁ平たくいくと組合ですね、そこがお金を出し合ってくれることに。しかし、条件が身元の堅い新しい嫁を娶ることが条件なのです。
みなさん、傾きかけた店の女遊びばかりしているだらしない男性のところに嫁に行けますか?無理でしょう。そんなダメンズのところに嫁の来手があるはずありません。
「五鈴屋の要石」と呼ばれる大番頭が出した苦肉の策が・・・幸を徳兵衛の嫁にということを閃きます。
しかし、呉服屋の寄り合いが女中奉公していた14歳になったばかりの小娘を認めてくれるのでしょうか?
さて、ここからが幸がこれまで蓄積して来た知識が知恵となって花開くことになります。いえ、花開く前の蕾の胎動が始まるのです。
幸はこの輿入れの話を受け入れ、いや生きていくためには受け入れざるを得ないでしょう。承諾しなければ、職も住むところも食べる糧もすべて失ってしまうのです。帰る家もありません。
この皮肉な運命を、転がり込んだ運と受け止めて、運命を切り開いていくのです。
受け入れたからには、呉服屋の寄り合いの承認を得なくてはいけません。また、嫁になったからには徳兵衛と夫婦関係になるのです。
幸は持って生まれた強運も兼ね備えていました。ただ運が良いだけではなく、商いの勉強も地道に続けたいたからこそこの運が引き寄せられ、つかみ取ることができるのです。
昔からのことわざで「運命の女神は前髪しかない」という言葉があります。いまここに降ってきた、チャンスを掴み取るためには、日ごろの努力が必要なのですね。
(あーー耳が痛い)
見事、幸はその運を掴み取ることができるのが、この早瀬編の主なストーリーです。
さて、この本は続き物になっています。「早瀬編」の次も話しが続くようです。
最後に、なんと夫となった徳兵衛に思わぬことが降りかかってくるのです。
見事に、努力する人は人生の階段を駆け上り、日々だらしなく過ごしている人は階段を転がり落ちるような人生となるのです。
話しが二転三転し「早瀬編」とあるだけに、運命の流れが徐々にスピードと上げて展開していきます。
また、幸がどんどん大人に近づいていって、その美しさの片鱗を見せ始めるのもこの早瀬編です。
続きが早く読みたいのですが、「早瀬編」が発売されたばかり・・・続編がとても待ち遠しくて仕方ありません。
出版社さん、早く次を出してください!!!
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出ました!続編!!
こちら
『あきない世傳 金と銀』奔流編 高田郁著:ようやく出た新刊!
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