江戸つまみかんざし作りのワークショップに参加してきました。
2016年6月18日の午後です。
私が仕事をしている東京は浅草橋に、つまみ細工の材料を売っているお店があるのです。
つまみ細工かんざしについては、NHKの番組「美の壺」で知っていたのですが、まさかそれが自分で作れるとは思っていなかったのです。
つまみ細工のお店を覗いてみると、入門・初級・中級・上級とクラス分けしたワークショップを開催していました。しかし、いつも満席でキャンセル待ちをしてかれこれ4ヶ月経過していますが、一向に受けられる気配がありませんでした。
そこで、江戸つまみかんざしを作っている伝統工芸士の方のワークショップが、日本橋は八丁堀であるということを知り、申し込んでみました。
伝統工芸士の方は、穂積 実さん
御年80歳。60年間ずっとつまみ細工を作り続けてこられたのだそうです。
その匠の技に少しでも触れてみたいと思い参加してみました。
トップのブルーのアジサイの簪が今回つくる作品です。
これは、先生の妹さんが作られたそうです。
江戸つまみかんざし創作家の穂積実さん | てこなどっとねっと 公益財団法人市川市文化振興財団
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道具と材料
ワークショップに参加すると、一人一人に材料と名刺が入ったケースを渡されます。
糊板とピンセット。余分な糊をふき取るためのお手拭き。作っている途中の簪を刺しておく発砲スチロールの板。
これが今日使う道具となります。
小さく切られた縮緬の布をピンセットでつまんで折っていきます。
折った縮緬は糊の上に並べていき、必要枚数が準備できたら、簪の台に乗せて形を作っていきます。
作品
これはマグネットの上に摘まんだ縮緬を5弁並べて花芯のビーズを置くと、かわいい摘み細工のマグネットが出来上がります。
これは”ぱっちんどめ”に並べて作ってみた髪飾りです。
そして私もどうにか、紫陽花の簪が出来上がりました!
自分でつけるには若いデザインですので、親戚の子にでもあげようかななんて思っています。
こちらは先生の作品。本当に美しい簪です。きらびやかな着物に合いますね。
穂積 実先生からのメッセージ
ワークショップの最後に先生からのメッセージがありました。
このようなつまみ細工を作る職人さんがどんどん減ってきているそうです。中国で作られる価格の安い商品に押されてしまって、日本の伝統工芸なのに日本で作られるものが全く売れなくなってきているからだそうです。
伝統工芸品をこのような形で衰退していくのを見ていられず、多くの人に「日本で作られる日本の工芸品」を知ってもらいたい、良いものを後世に残していきたい、そのために今も現役で頑張っておられるそうです。
先生自身も、この伝統を残すために通産省へ相談に行ったりかけあったりしたそうですが、行政が動くには時間がかかり、なかなか取り上げられないのが現状です。
行政だけの力に頼らず、ご自分の時間が許す限り、ワークショップを開いて残す努力もされているそうです。11月の七五三の時には、日本製の日本人が丹精込めてつくるつまみ簪を手に取ってくださいとのことです。
素晴らしい日本の伝統を、自分たちの手で残していきたいものですね。
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