仲間が公演に出演するという事で、2016年3月17日に池袋にある、あうるすぽっと(豊島区立舞台芸術交流センター)に、観に行って来ました。
舞台芸術の学校という1995年に設立された日本唯一の舞台芸術スクールが、文化庁の「平成27年度次代の文化を創造する新進芸術家育成事業」として支援している活動です。
その舞台芸術学校の1年間の活動の集大成の発表の場として、今回の公演が上演されました。
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昨今、東京での劇場が次々と閉鎖されています。
2015年1月30日に青山劇場が閉鎖。
2015年9月30日に五反田ゆうぽうとホールが閉鎖。
大人数を収容できる劇場が相次いで閉館となり、芸術を育てる環境がますます厳しくなってきています。
芸術を生業としている人たちの活動の場が失われ、育てにくく理解されにくい芸術の世界は以前よりましてますます厳しい状況になってきているのが現状です。
そんな中で、仲間が「公演に出ます!」とSNSで連絡してくれたときは嬉しかったのです。
芸術の芽はまだまだ頑張っているんだ。という声が聞こえてきたようで、これは何としても応援に行きたい!と思い駆けつけました。
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舞台構成と感想
公演は3部構成となり、1部は「プログラム参加個人作品」2部は「CRIMSON」というタイトルのコンテンポラリーダンス作品。3部は「The Dark Side of The Moon」というセリフとコンテンポラリーダンスのコラボレーションとなっていました。
第1部では、ダンス経験者と経験の浅い人との差が目につきました。しかし、不思議とそれが上手く馴染んで予想だにしていない表現を生み出して、なかなか面白い身体表現方法でした。
見ごたえがあるのは2部と3部。
出演者の身体の動きを観ていると、振付をする側が出演者の得意とする動き、個人が持つ身体のラインをいかに美しく表現させるかを緻密に構成されていて、1部と同じ出演者なのか?と目を疑うほどの面白さを演出していました。
3部もまたしかり。ここは主催の小池博史氏の書き下ろし作品とあって、コンテンポラリーダンスの中にセリフも多々盛り込まれていました。
数カ月前までダンスの”ダ”の字も縁遠かった仲間のキレのある動きに目が離せない時間でした。
2部も3部もおおまかなストーリーはあるのだろうけれど、なにせコンテンポラリーダンス。
言葉で表せ無くて、ここで文章として上手く伝えられないのがもどかしいです。
やりきった顔
終演後、久しぶりに会った仲間。俳優 大迫健司
やり切った感でいっぱいの顔を見たら、表情からは溢れんばかりの充実感が伝わってきました。
かつて、私も練習に練習を積んで舞台をやりきった後の爽快感を何度も噛み締めていました。
練習をしている時間は、長くて辛い時もあります。それに対して舞台本番はほんとうに一瞬で終わってしまいます。
でも、この一瞬がとても濃密で日常生活や、日々の練習時間では味わえない、それはそれはきらびやかで甘くて愉快で、なんとも言葉では言い表せない、舞台に立ったもののみが味わえる感覚なのです。
その感覚を全身に感じているのが、瞳を見ただけで受けとめられたことは確かです。
これからの、俳優 大迫健司の活躍が楽しみでなりません。