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ミニシアターが好きです
12月18日(金) 世間は映画「スター・ウォーズ 6/フォースの覚醒」の封切りでお祭り騒ぎ真っ只中です。
そんな年の暮れに、ひとりひっそりと「バレエ・ボーイズ」を観てきました。
2015年8月に封切りされた映画なのですが、キッチンスタジオの立ち上げで、ドタバタしていてすっかり見逃していました。
しかし、東京の凄いところは、どこかしらの小さな映画館でひっそりと上映しているところです。
また、ミニシアターで上映されている映画は、派手さは無いけれど、じーんと沁みてくるハートウォーミングな映画や、ドキュメンタリーがチョイスされていることが多いため、私好みの作品が多いのも嬉しいです。
この日は、渋谷は宇田川町にある小さな映画館アップ・リンクに観に行きました。
UPLINK |
映画「バレエ・ボーイズ」
ノルウェーの首都オスロでプロのバレエダンサーを目指す3人の少年たちのドキュメンタリーです。
左端がトルゲール・ルンド
真ん中がシーヴェルト・ロレンツ・ガルシア
右端がルーカス・ビョルンボー・ブレンツロド
三人が通うのは、ノルウェー国立バレエ学校です。
国からの学費や手当の厚い福祉国家のノルウェーとは言えども、国立のバレエ学校に入学出来ていること自体、彼らはバレエエリートでもあります。
日本であれば、新国立劇場の国営のバレエ学校がありますが、まぁほぼ、派閥的な話しから言うとMAバレエ教室(一応伏字のつもり)のカラーが濃いいですね。。
とは言え、ノルウェーであっても日本であっても、韓国にも国立バレエ学校がありますが、いずれも超エリートです。
しかし、エリートであっても全員がプロのバレエダンサーになれるとは限らない厳しい世界なのです。
シーヴェルトの場合
彼は教師からも親からも「バレエダンサーになれなかった時の選択肢を考えているのか?」と、何度も問われます。
その度に心が揺らいでいきます。
そうですね、教師や親の立場としては、子供に「失敗の無い人生」に進んで欲しいものですよね。
しかし、『失敗の無い人生』とは何なのでしょうか?
本人が主体性を持って選択をした人生であれば、それが何であれ「大成功」と言えるのではないでしょうか。
彼はこの映画の中で2度の大きな選択をします。
一度目はは親からのアドバイスに従って選んだ選択、二度目は自分の意志で選んだ選択です。
ルーカスの場合
バレエは持って生まれた体形・骨格・容姿でいとも簡単に振るい落とされます。
本人の努力の及ばないところで、すでにその狭き門のスタート地点に着けるかが決まってしまうところが残酷です。
彼は見るからに、持って生まれた容姿に恵まれ、映画が追っている2年間の間に身長は180センチになり、ルックスは王子様が演じられるノーブル系。
そして、持って生まれたものだけでなく、自分の進む道を信じて迷わない。そして、努力を惜しまないのです。
この映画の中で人生の転機を迎えるのです。
トルゲールの場合
バレエは白いタイツを履いた、ゲイまがいの人が好んでやるもの、、、という偏見がいまも残っています。
しかし、バレエほど筋肉を必要とする芸術は無いです。誰よりも高く飛び誰よりも多く回転し、そのうえ身体を使ってストーリーを表現しなくてはいけません。そのうえ女性をリフトしたり、サポートしたり。これほどハードな芸術は無いと思います。
その鍛え抜かれた身体自体が芸術品とも言えるほどです。
トルゲールの筋力は誰よりも強く逞しく、バレエ向きでもある強靭なものです。
映画の中では描かれてはいませんでしたが、現在彼は、新しい道へ進みました。
映画を観て
ドキュメンタリーの中で、コツコツと努力をしている彼らの姿をみていたら、自分も夢中に必死に「なりたい自分」になるために、レッスンに通い続けていた時期を思いました。
この写真。
女性の中に囲まれて、レオタード姿をチラ見している様に見えますが、彼は一切はレオタード姿の女の子のことは見ていないという事が、私には分かります。
彼が見ているのは、先生のお手本と鏡の中の自分しか見ていないのです。
そうなんですよ。全て自分との闘いなんですよ。
必死に戦っているその、若さ溢れる情熱が、私は羨ましくて仕方ありません。
映画自体は、バレエに対する悩みと3人の友情をメインに描かれています。
しかし、私はその「夢中になれる、青春の時間」がとてもまぶしく羨ましく懐かしく感じた映画でした。
さて、現在の彼らそれぞれの現在は、
ルーカスはイギリスの名門バレエ団。いえ世界の最高峰である英国ロイヤルバレエ団に入団し活躍されています。
シーヴェルトは、ローザンヌ国際バレエコンクールのファイナリストになった後(もうこの時点で超エリートだと・・・)現在は、アメリカはヒューストンのダンスカンパニーで活躍しています。
トルゲールの場合、今年2015年7月。バレエを辞めてノルウェーの軍隊に入隊しました。
お姫様をリフトしていたその両腕は、武器に持ち替えています。
人生いろいろです。
映画「バレエ・ボーイズ」を観たい人へ
「バレエ・ボーイズ」は、まだ映画館で観られます。
渋谷 アップ・リンク UPLINKでは、『見逃した映画2015』として、2015年12月19日(土)~2016年1月29日(金)まで一挙公開します。
まさに今日からスタートです。
『見逃した映画2015』のリストを見て、これは観たかった!!!という作品があったら、この年末年始がチャンスですよ。
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