『美しい風景を眺め写真に撮ることは 音楽を聴くこと、詩を詠むことに少し似て、生きる支えになる。』
-マルク・リブー写真展 「Alaska」より-
広告
CHANEL NEXUS HALL
CHANEL NEXUS HALLへ「写真展 「Alaska」 Marc Riboud (マルク・リブー)」を観に行って来ました。
ファッション界のハイ・ブランドひとつCHANEL。
CHANEL銀座では、芸術を支援する活動をしています。
その一つとして、銀座の店舗にはCHANEL NEXUS HALL(シャネル・ネクサスホール)があります。
シャネル・ネクサスホールでは、音楽家を支援する「 CHANEL Pygmalion Days シャネル・ピグマリオン・デイズ 」と「PHOTO EXHIBITION フォト・エキシビジョン」を定期的に開催しています。
CHANEL Pygmalion Daysは、若手音楽家を支援する活動です。
(Pygmalion:才能を信じ支援して開花させる人という意味)
今年は5人の若手音楽家が選ばれて活動を開始しています。過去に何度か演奏を聴きに行きました。
音楽の詳しいことは知りませんが、とてもレベルが高いという事と、演奏家が美人もしくはハンサムであった事が強く印象に残っています。
もう一つは「PHOTO EXHIBITION」
CHANEL NEXUS HALLで開催される写真展は、こんな有名で滅多に見られないフォトグラファーの写真が!!!と驚くような、ラインナップで毎回楽しみにしています。
今回は Marc Riboud (マルク・リブー)の「Alaska」展でした。
Marc Riboud 「Alaska」展
マルク・リブーはフランス出身のフォトグラファーです。
写真好きなら誰でも知っている「マグナム・フォト」のメンバーです。
14歳から写真を撮り始め、数々の世界的賞を受賞した経歴を持ち、マグナム・フォトの会長も務めた人です。
経歴はもちろんすばらしいという事もありますが、この写真展に行きたいとすぐさま感じたのは、私好みの写真だからです。
シンプルでかつ写真自体から見る側のイマジネーションを膨らませる被写体と構図です。
何かとごちゃごちゃと賑やかな写真や具体的すぎる写真よりも、自分の想像を掻き立てられる写真にいたく惹かれます。
「Alaska」での展示作品はまさにそんな51点の作品でした。
白の世界
CHANEL NEXUS HALLの中は白を基調とした内装の中に、一面雪のAlaskaの風景の写真が並んでいます。
通常、作品の下や両脇に作品を解説する文章が一緒に書かれていますが、それも一切なし。
作品の解説は、HALLに入ってすぐのところに紙に印刷されて置いてあります。それを見ながら鑑賞します。
この真っ白なCHANEL NEXUS HALL自体がAlaskaを表現している様でした。
シャネルのブランドカラーと言えば白と黒。
まさにシャネルらしいとも言えます。
作品は、
白い世界で遊ぶ子供たち。働く男たち。米兵と戯れる女たち。
吹雪にうずくまる犬たち。凍って死んだ馬やオオカミ
おそらく、どれをとってもアラスカの冬の日常のワンシーンであり特別のハレの日では無いつまりケの日。
被写体は何かを必死に追い求めているわけでなく、生活をして淡々と繰り返す日々を淡々と生きているのです。
一つ一つのシーンが”生身の人間臭さ”が表現されていて、じんわりと沁みてくるような感動を受けます。
『美しい風景を眺め写真に撮ることは、音楽を聴くこと、詩を詠むことに少し似て、生きる支えになる。』
マルク・リブーの言葉通り、厳しいけれども美しい写真でした。
決して美しい景色が写し出されているのではありません。
寒さの厳しい、けっして富んだ街では無いけれど、生きている人間が美しいと思える写真でした。
今年は積極的に観たいものを観て歩こうと思います。
写真展情報
会期:2015年1月16日(金)~2月15日(日)
時間:12:00~20:00
入場料:無料
場所:104-0061 東京都中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング
最寄駅:
東京メトロ「銀座」駅 A13出口から徒歩1分
東京メトロ「銀座1丁目」駅 8番出口からすぐ
この写真展は、会期終了後、KYOTOGRAPHIE国際写真フェスティバルの公式展覧会として、2015年4月、京都に巡回するそうです。
関西地方でも4月以降観られます。
MAGNUM PHOTOS 世界を変える写真家たち [DVD]
売り上げランキング: 93,034
MAGNUM CONTACT SHEETS(マグナム・コンタクトシート) 写真家の眼―フィルムに残された生の痕跡
売り上げランキング: 212,096