一保堂茶舗と言うと、誰もが知る京都のお茶の老舗です。
享保年間1717年に開業した290年続くお茶屋さん。
日本茶は全国各地に産地がたくさんあり、この一保堂は宇治で作られる京銘茶を主に取り扱っているお店です。
実は私はまだ十代の頃、裏千家を丸6年習っていました。
しかし、しかし、しかし。
餡子をはじめ和菓子が苦手なのです。
練習用のお茶菓子は、コスパの高いお値段低めの物が大量に(とは言え、1人一個配られるのですが)用意されてしまいます。
つまり、練習なので味は二の次。
ただでさえ、餡子が苦手なのにあんまり美味しく無いお茶菓子が出されるのです。
6年間、それでも耐えに耐えました。
一口食べてあとは懐紙に包んで持ち帰ったり、友人にこっそり食べて貰ったり。
お茶菓子当番の日は、待ってました!とばかりにマドレーヌを用意して先生に叱られたり(笑
しかし、7年目にして餡子の前に挫折しました。。ぐぬぬぬ。
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“美味しいお茶が飲みたい””美味しいお茶を淹れたい”
和菓子が苦手なワタシが、なぜゆえにお茶屋さんのワークショップに参加しようとしたのか???
理由その1: 美味しい煎茶とほうじ茶を飲みたい
餡子と並んで『三大苦手 食物』として揚げられるのが、この3つ
・餡子
・チョコレート
・コーヒー
餡子とチョコレートは食べると頭痛がします。
コーヒーは下痢になります。
すでにもう身体が受け入れません。
そうなんです。
万人に愛されているコーヒーが飲めません。
そこでいつも飲んでいるのは、ほうじ茶か麦茶なのです。
緑茶も好きですが、なんだか口の中がシワシワするので、どちらかと言うとほうじ茶が好きなのです。
しかし、日頃はついつい手軽なティーバッグタイプを使っていて、
また、私の運営するキッチンスタジオでも、ティーバッグタイプを常備しています。
最近は美味しいティーバッグタイプのほうじ茶も出回り始めましたが、うーん。。どうしても”美味しい”と唸るにはいまひとつなんです。
そこで、美味しいほうじ茶の選び方、淹れ方を知りたくなったのです。
理由その2: ほうじ茶ユーザーの増加
ビタミンアカデミーのジュンさんのブログで、コーヒーは副腎疲労の引き金になると紹介されていた影響で、最近、私の周りではコーヒー断ちをしている人が増えてきました。
私の運営するキッチンスタジオでも、コーヒーを出すよりも、ほうじ茶をリクエストされる方が増えて来たのです。
ニーズに応えるのがサービスの基本。
それまでは「どうせほうじ茶を飲むのは私ぐらいだろう」とテキトーに選んでお茶を置いていました。
スンマセン。
だって、自分しか飲まないのなら淹れる張り合いが無いもんですよ。
でも、ようやくほうじ茶が陽の目を見る機会が増えて来たのですよ、アナタ!
だったら『美味しいぃ〜』と思う様なお茶を飲ませたいではありませんか!
理由その3: 日本茶を海外の人にも味わって欲しい
私の運営するキッチンスタジオでは、今年から外国人観光客向けのクラスをボチボチとスタートしました。
そこで、出す日本茶が。そう、ある意味日本代表がが、テキトーなティーバッグで良いのか?と言う疑問と反省です。
せっかく飲んでもらうのであれば、堂々とそして海外の紅茶やコーヒーに負けないほどの美味しいものを出したくなったのです。
こんな強い強い思いが『餡子が恐い』と言う気持ちに勝ったのです!
申込み方法
まずは教室に申込みが必要です。
申込み窓口は、一保堂のサイトにあります。
ただし、京都の本店では定期開催の教室がありますが、東京ではスポット開催しかありません。
突然に、日程が発表されて、そしてクラスはすぐに埋まってしまいます。
私は今回参加するのに半年以上かかりました。
まずは会員登録をして、メールマガジンを購読します。
すると、東京開催がメルマガで案内が来る様になります。
メルマガが届いたら直ぐに申込みをしましょう。
ここで、怯んで間を置くと直ぐに満席になります。
毎回かなり熾烈な争いなので、めげずにトライしましょう。
教室に行く
運良く、晴れて申込みが出来たならば、おめでとうございます!
クラスは、月によって『ほうじ茶』『玉露茶』『煎茶』とあります。
私は大好きなほうじ茶クラスに申込みしました。
丸の内にある一保堂の暖簾をくぐります。
正面のカウンターで、教室に参加の旨を伝えて、ここで精算します。
奥の部屋に案内され、ここで講師の先生の講義を聞きます。
先生とは逆のところに水屋があり、助手の方2名がいらっしゃいます。
煎茶・ほうじ茶の試飲の仕方と、飲み比べ
席に着くとまず、チェイサー代わりのお水が出されます。
お茶にはいろいろ種類がありますが、今日は煎茶、番茶、ほうじ茶、玄米茶の飲み比べセットが出されます。
これら四種類のお茶は「露天園」と言われる、よく見るお茶畑で取れるお茶です。
これらが、茶葉を揉んだり、茎だったり、炒ってあったり、玄米が入っていることで、味・香・色に違いが出て来るのだそうです。
そのティスティングの際の、香りの聞き方や色の見方を教えてもらえます。
自分でもほうじ茶を淹れてみる
次に、お茶を淹れるワンセットが用意されます。
お茶を淹れる時に急須が必要になりますが、急須の選び方のポイントも教えてもらえます。
ちなみに、このセットの急須は一保堂さんオリジナルで、萬古焼の窯元に細かいところまでこだわってオーダーしたものだそう。
一保堂さんの店頭でもWEB SHOPでも買えます。
この様に、急須の蓋の裏には、番号がふってあって、本体と必ず一対になっているこだわり様です。
試しにお隣の人の急須に、自分の蓋を乗せてみましたが、閉まらない・はまらない・隙間が出来るなどで使えないのです。
きっちり閉まる蓋と本体とで、初めて美味しいお茶が淹れられるのだそう。
お茶葉の最適な量もしっかり教わりました。
そして、何より嬉しかったのがお茶菓子です。
「餡子が恐い」私には嬉しい餡子無し。
京都 明月堂のニッキ餅。
朝一番に京都の明月堂さんから受け取って、新幹線に乗って私の元にやってきたのだそうです。
このニッキ餅が、ふわふわでとても上品な甘さ。
これを買いに京都へ行っても良い!と思うぐらいの美味しさ。
シアワセです。
一保堂さん、明月堂さんありがとうございます。
また、夏らしく冷たくして飲む方法もデモンストレーションで教えてもらいました。
一保堂のお茶教室のさゆりっぷ的に感じたメリット
メリットが多すぎます!
・ほうじ茶の美味しい淹れ方が分かった
・二煎目以降の美味しい淹れ方が分かった
・茶葉はどこまで使えるのかが分かった
・もし、一煎目淹れただけで後は飲まない時のほうじ茶の使い方が分かった
・急須の選び方が分かった
・お茶の香り・色・味の聞き方とその違いの特徴が分かった
そして、一保堂さんでは店頭には置かず、このお茶の存在を知っている人のみ売っていると言う「いり番茶」の葉と、その試飲をすることが出来ました。
お値段はリーズナブルなのですが、覆下園という抹茶や玉露と同じ栽培方法をした番茶で、独特の香と味がします。
まさに、大人の味と香りがする番茶です。
好みがキッパリ分かれるそうです。
こんなお茶知りませんでした。
テキストやパンフレットもきちんと用意されていて、一保堂のお茶をもっと多くの人に知ってもらいたいと言う、熱意が感じられました。
とても競争率の高い教室ですが、日本茶の世界の扉が一つ開いた日。
ぜひ、足を運んで欲しい教室です。
おまけ:名月堂のニッキ餅について
お茶菓子の名月堂さんの「ニッキ餅」がとても美味しかったので、後日京都に行った際に名月堂さんへ行ってきました。