会津若松ひとり旅、2日目。
朝、ホテルの窓から外を見ると、今日もどんよりとした空。
窓には雨粒がついていて、会津若松の街も少し霞んで見えます。

この日の予定は、
飯盛山 → さざえ堂 → 戸ノ口堰洞穴 → 御薬園 → 田季野でわっぱめし → 末廣酒造
と、かなり盛りだくさん。
まずはホテルでしっかり朝ごはんを食べてから出発します。

旅先の朝ごはんって、なんだか嬉しいですよね。
特にここ「会津若松ワシントンホテル」の朝食は、ご当地メニューなどもあって美味しいです!
この日は、ごはんにお味噌汁、焼き魚に卵、煮物などを少しずつ。
このあとかなり歩くことになったので、朝ごはんをしっかり食べておいて正解でした。
まずは白虎隊ゆかりの地「飯盛山」へ
飯盛山に到着。

正面を見ると、山の上へとまっすぐ続く長い石段。
飯盛山の正面参道は現在183段あります。幸い、石段の横には有料の「動く坂道(スロープコンベア)」もあります。現在の一般料金は大人250円です。
私は今回、こちらを利用しました。

透明な屋根に覆われた長いスロープコンベア。
緑の中をぐんぐん上っていきます。
飯盛山は史跡を巡りながら歩く場所なので、最初の上りで体力を使い切らずに済むのはありがたいですね。
白虎隊十九士の墓へ
スロープコンベアを上がり、さらに進むと、白虎隊十九士のお墓があります。

戊辰戦争の際、16〜17歳の少年たちで編成されていた白虎士中二番隊。
戸ノ口原から退却した20名は、戸ノ口堰の洞門を通って飯盛山へたどり着き、ここで自刃しました。そのうち19名が亡くなり、一人だけ生き残った飯沼貞吉によって、その出来事が後世に伝えられました。

静かな杉木立の中に、墓石がずらりと並んでいます。
観光地ではあるのですが、ここだけは少し空気が違うように感じます。

楽しい観光というより、会津の歴史を知り、その時代に生きた人たちに思いを寄せる場所。

そして飯盛山の高台からは、会津若松の街を一望できます。

この日は曇り空でしたが、それでも街がかなり遠くまで見渡せました。
ここから当時の隊士たちも城下を見ていたのかと思うと、昨日訪れた鶴ヶ城とはまったく違った角度から会津の歴史を見ることになります。
前日に鶴ヶ城を訪れてから飯盛山へ来たことで、場所と場所が少しずつつながっていくような感覚がありました。
飯盛山に来たら見ておきたい「会津さざえ堂」

白虎隊十九士の墓から歩いて次に向かったのが、会津さざえ堂。

初めて実物を見ると……
かなり不思議な建物です。
一見すると何階建てなのかもよくわからない(笑)。
会津さざえ堂は1796年に建てられた、高さ16.5メートルの六角三層のお堂。正式名称は「円通三匝堂(えんつうさんそうどう)」で、国の重要文化財に指定されています。

正面を見ると、木彫りの龍など細かな装飾も見事です。
古い木造建築ならではの色や質感も残っていて、外から眺めているだけでも見応えがあります。
でも、さざえ堂の面白さは中に入ってから。
上った道と下りる道が交わらない、不思議な二重螺旋

中へ入ると、一般的なお寺のような階段ではありません。
傾斜のついた木の通路を、ぐるぐると上っていきます。
そして不思議なのが、上っている人と下りてくる人がすれ違わないこと。
さざえ堂は二重螺旋構造になっていて、上りと下りが別々の通路になっています。かつてはこの螺旋状の通路に西国三十三観音像が安置され、堂内を巡ることで三十三観音参りができるようになっていたそうです。
「なるほど、だから“さざえ堂”なのか」
実際に中を歩くと、その名前にも納得します。

天井や柱には、たくさんの札。
何年、何十年……と人がここを訪れてきた時間も感じます。
ちなみにここが、上り切った頂上になります。ここから下っていくことになります。
外から建物を見るだけでは、この面白さはわかりません。
飯盛山へ来たら、ぜひ中まで入って歩いてみてほしい建物です。

裏側から見ると、今度は建物のねじれるような構造がよくわかります。
見る方向によって、まったく違った姿に見えるのも面白いところでした。
さざえ堂のすぐ近くに「戸ノ口堰洞穴」
さざえ堂を出て、さらに歩いていくと水の流れる場所があります。

緑に囲まれた中を、かなりの勢いで水が流れています。
ここにあるのが戸ノ口堰洞穴(とのくちぜきどうけつ)です。
戸ノ口堰は、猪苗代湖から会津盆地へ水を引くために造られた全長約31kmの用水路。
現在の洞門は、天保8年(1837年)に約150mの区間が貫通したもので、翌年には鶴ヶ城の城下まで水が届くようになりました。
写真の奥に見えている暗い穴。
ここを水が流れています。

そしてこの戸ノ口堰洞穴は、白虎隊の歴史とも深く関わっています。
戸ノ口原から退却した白虎士中二番隊の20名は、帰城する途中にこの洞穴を通り、飯盛山へたどり着きました。
さきほど見た白虎隊十九士の墓。
そして、この洞穴。
実際の場所を歩いてみると、「白虎隊ゆかりの史跡」という言葉だけで知るのとは、ずいぶん印象が違います。

今は静かに水が流れ、周囲には緑が茂っています。
その場所に、そんな歴史があったことを知って見る景色には、やはり少し特別なものがあります。
途中には清水が流れる場所もありました。
【写真:白虎清水】
水の音を聞きながら歩いていると、飯盛山という場所が、白虎隊の墓だけではなく、さざえ堂や水路など、いくつもの歴史が重なっている場所なのだとわかります。
飯盛山・さざえ堂・戸ノ口堰洞穴は一緒に巡るのがおすすめ
実際に歩いてみると、
白虎隊十九士の墓 → さざえ堂 → 戸ノ口堰洞穴
は、それぞれ別々に訪れるというより、飯盛山の中を歩きながらひと続きで巡る場所でした。
会津若松観光ナビのモデルコースでも、飯盛山の滞在時間の目安は約1時間15分とされています。写真を撮ったり、さざえ堂の中をゆっくり歩いたりするなら、少し余裕を持っておくとよさそうです。
白虎隊の歴史を知り、さざえ堂という不思議な建築を体験し、その先で白虎隊も通った戸ノ口堰洞穴を見る。
この3つを一緒に巡ったことで、飯盛山がより印象に残る場所になりました。
そして飯盛山をあとにして、次に向かったのは――
御薬園。
白虎隊ゆかりの歴史に触れたあとは、雰囲気をがらりと変えて、会津藩ゆかりの庭園を歩きます。
会津若松2日目の旅は、まだまだ続きます。
