友人たちと東北を旅してきました。
最初の行き先は、杜の都・仙台。
仙台は東北地方最大の都市でありながら、街の中には緑が多く、少し足を延ばせば広瀬川や青葉山などの自然にも出会えます。
今回の旅で最初に向かったのは、かねてから一度訪れてみたいと思っていたお蕎麦屋さん「鹿落堂(ししおちどう)」です。
旅の仲間たちも全員お蕎麦が好き。
仙台に着いて最初の食事にお蕎麦屋さんを選んでも、誰からも異議が出ませんでした(笑)
広告
仙台駅から鹿落堂へのアクセス
仙台市内にはバス路線がたくさんあり、観光での移動にも便利です。
仙台駅から鹿落堂へ向かう場合は、仙台駅前から次のバスを利用できます。
- 701・J701 八木山動物公園駅行き
- 704・J704 緑ケ丘三丁目行き
今回は仙台駅からバスに乗り、鹿落堂のある太白区向山まで移動しました。
「向山二丁目」バス停で下車します。
バス停からお店までは徒歩で向かいますが、鹿落堂は坂の上にあります。
鹿落堂の名前は、お店のある「鹿落坂(ししおちざか)」に由来するそうです。
昔、鹿や猪がこの坂を下りてきたことから、仙台弁で「ししおちざか」と呼ばれるようになったのだとか。
少し勾配のある道を歩いていくと、落ち着いた雰囲気の建物が見えてきます。

鹿落坂の上にたたずむ「鹿落堂」
鹿落堂は、仙台市街と広瀬川を見渡せる高台にあります。
街の中心部からそれほど離れていないにもかかわらず、周囲にはゆったりとした空気が流れていました。
旅先で人気のお店を訪れるときは、駅前や繁華街のにぎやかな場所にあることも多いのですが、鹿落堂は少し違います。
坂を上りながら少しずつ街の喧騒から離れ、目的地へ近づいていく時間も、お店を訪れる楽しみの一部になっているように感じました。
建物は和の雰囲気を持ちながらも、古い日本家屋をそのまま使ったという印象ではありません。
大きな窓や木を使った内装が美しく、昔ながらのものと現代的な感覚が自然に調和しています。

大きな窓から仙台の街を望む店内

店内に入ると、まず目に入ったのが大きな窓です。
窓の向こうには、広瀬川と仙台の街並みが広がっています。
坂の上にあるお店だからこそ楽しめる景色です。
明るい店内には木の温もりがあり、すっきりとしていながら、どこかほっとする空間。
お蕎麦を食べるためだけに立ち寄るというよりも、この場所で過ごす時間そのものを楽しみたくなるお店です。
店内では、器や生活道具などの日用品も販売されています。

料理を盛りつける器や、毎日の暮らしの中で使いたくなる品々が並び、食事が運ばれてくるまでの間も楽しく眺めることができました。
鹿落堂で味わう手打ちの十割蕎麦

鹿落堂では、宮城県内をはじめとする地域の蕎麦を使い、店内で自家製粉した手打ち蕎麦を味わうことができます。
今回のお目当ては、もちろん十割蕎麦です。


席に案内されると、蕎麦茶が出されました。
蕎麦の実を炒った香ばしい香りが、器を顔に近づけただけでも豊に伝わってきます。
金継ぎした器も、なんとも風情があります。

次に、お盆に載せられたお漬物と薬味と蕎麦ちょこが運ばれてきました。
小皿がなんともレトロ。
古い食器を上手に使われているところも私好み。

いよいよ蕎麦がきました。
蕎麦が運ばれるまで、10分ぐらい、いやもっと早かったかも。
それぐらいスピード感があって、すぐに食べられるのも嬉しいですね。

注文したのは「玄挽き十割蕎麦膳」
十割蕎麦とは、つなぎの小麦粉を使わず、蕎麦粉だけで打ったお蕎麦のこと。
一般的に十割蕎麦というと、少し切れやすかったり、ぼそぼそした食感を想像する人もいるかもしれません。
けれども、鹿落堂のお蕎麦は、そんな十割蕎麦のイメージとは違いました。
箸で持ち上げても頼りなさがなく、麺にはしっかりとした存在感があります。
口に入れると、まず感じるのが蕎麦の香り。
噛むほどに蕎麦の風味が広がり、細めでありながら、きちんとした食べ応えがあります。
つるつると勢いよくすすって終わるのではなく、一本一本をよく味わいたくなるお蕎麦です。


蕎麦が到着して、お箸を割ったぐらいにすぐにかき揚げも到着。
もりっとした厚みで、カラッとサクッと気持ちよく揚がっていました。

お蕎麦と一緒に出されたのが、ソルトミル

天汁だけでなくお塩でもお蕎麦が楽しめます。
しっかり噛んで味わいたい蕎麦

私は、香りだけでなく、噛んだときに蕎麦の味を感じられるお蕎麦が好きです。
鹿落堂の十割蕎麦は、まさにしっかり噛んで味わいたくなる蕎麦でした。
蕎麦の粒を感じるような力強さがあり、それでいて食感が重すぎるわけではありません。
十割ならではの豊かな香りと、手打ち蕎麦らしい心地よい歯応え。
つゆをたっぷりつけなくても、蕎麦そのものがおいしい。
最初はつゆをつけずにひと口。
次に、つゆを蕎麦の先に少しだけつけていただきました。
つゆをつけることで蕎麦の甘みが引き立ちますが、つゆの味が前に出すぎることはありません。
蕎麦とつゆのバランスがよく、最後まで飽きずにいただけました。
お蕎麦と一緒に楽しむ季節の料理
お蕎麦に添えられた料理も、ひとつひとつ丁寧に作られています。
主役はあくまでお蕎麦ですが、季節の食材を使った料理が加わることで、満足感のある食事になります。
盛りつけも美しく、器との組み合わせにも目を奪われました。
お料理教室をしていることもあり、旅先で料理をいただくときには、つい味だけでなく、器や盛りつけにも目が向きます。
鹿落堂では、建物、店内のしつらえ、器、料理が、それぞれ別々に存在しているのではありません。
すべてがひとつの世界観の中に収まっています。
だからこそ、お蕎麦を食べ終えたあとに残るのは「おいしかった」という感想だけではありません。
気持ちのよい場所で、よい時間を過ごしたという満足感が残りました。
最後は蕎麦湯でゆっくりと
お蕎麦を食べ終わったあとは、蕎麦湯をいただきました。
残ったつゆに蕎麦湯を注ぐと、つゆの風味がやわらぎ、ほっとする味になります。
お蕎麦を食べているときには会話が少なくなっていた私たちも、蕎麦湯を飲みながら、ようやくゆっくり話し始めました。
旅の最初の食事がおいしいと、その後の旅まで楽しくなりそうな気がします。
友人たちも満足した様子で、全員がお蕎麦好きで本当によかったと思いました(笑)

蕎麦だけではなく甘味も人気
鹿落堂は、お蕎麦だけでなく甘味も人気のお店です。
季節によっては、かき氷やあんみつなども楽しめます。
特にかき氷は、お蕎麦を食べたあとにも注文したくなる華やかな見た目。
しかし、この日は旅が始まったばかり。
このあとにも食べたいものがいろいろと待っていたため、後ろ髪を引かれながらも甘味は見送ることにしました。
お蕎麦と甘味の両方を楽しむなら、お腹に余裕を持って訪れた方がよさそうです。
次に鹿落堂を訪れる機会があれば、今度は季節の甘味までゆっくり味わってみたいと思います。

鹿落堂は景色と空間も楽しみたい蕎麦店
鹿落堂は、お蕎麦のおいしさはもちろん、坂の上から眺める景色や、木の温もりを感じる店内、丁寧に選ばれた器や日用品まで楽しめるお店でした。
十割蕎麦は、蕎麦の香りが豊かで、しっかりとした食べ応えがあります。
細い蕎麦をのど越しだけで楽しむというより、よく噛み、蕎麦そのものの味をじっくり感じたい人におすすめです。
仙台といえば、牛たんや海鮮、ずんだなどが有名です。
もちろん仙台らしい名物を食べるのも旅の楽しみですが、少し街の中心部を離れ、景色のよい場所で手打ち蕎麦を味わう時間も、仙台旅行のすてきな思い出になります。
瑞鳳殿からも比較的近いため、観光と組み合わせて訪れるのもよさそうです。
旅の始まりに選んだ鹿落堂。
期待していた以上にお蕎麦がおいしく、景色も空間も心地よく、よい旅のスタートになりました。
仙台でおいしい十割蕎麦を食べたいときに、また訪れたいお店です。
鹿落堂 店舗情報
店名
鹿落堂(ししおちどう)
住所
宮城県仙台市太白区向山1丁目1-1
最寄りのバス停
向山二丁目
営業時間や定休日、メニューは変更される場合があります。訪問前に公式ホームページや公式SNSで最新情報をご確認ください。

