熱海・来宮神社へお水取りに。大楠の前で感じたこと

熱海へ一泊二日の旅。

今回の目的のひとつが、来宮神社でのお水取りでした。

以前にも訪れたことのある来宮神社。

久しぶりに行ってみようと、熱海駅から向かいました。

来宮神社の最寄り駅はJR伊東線の来宮駅。熱海駅からは一駅なのですが、この日は電車の乗り継ぎのタイミングがあまり良くなく、タクシーで向かうことにしました。

そして神社に近づいて、びっくり。

思わず車の中で、

「人すごっ!」

と声に出してしまったほどです(笑)。

運転手さんも苦笑いしながら、「パワースポットということで人気が出て、いつもすごいんですよ」と話していました。

この日は日曜日。しかもお日柄が良かったからなのでしょうか。

鳥居をくぐる前から、ものすごい人でした。

お参りするにも長い列

境内に入って本殿へ向かっても、人、人、人。

お参りをするためにも長い列ができていました。

「今日はたまたまタイミングが悪かったのかな?」

とも思ったのですが、境内全体がとても賑やかです。

以前訪れた時に比べると、カフェができていたり、きれいなテラスが整備されていたり、訪れる人が過ごしやすい場所になっていました。

設備としては、とても快適になっています。

でも、なぜでしょう。

私はなんとなく落ち着きませんでした。

人が多いからということだけではなくて、私自身が感じる「場の空気」とでもいうのでしょうか。

エネルギー、あるいは波動という表現が近いのかもしれません。

静かに整うというより、いろいろなものが混ざり合って、細かく揺れているような感覚。

もちろん、これはあくまで私自身がその日、その場所で感じたことです。

神社との相性もありますし、訪れる時間や日によっても、感じ方はまったく違うと思います。

やはり圧倒された大楠

お参りを済ませて、来宮神社の象徴ともいえる大楠へ向かいました。

大楠までの道も、以前より歩きやすくきれいに整備されていました。

ただ、ここもたくさんの人。

話し声や足音が途切れることはなく、静かに木と向き合う、という雰囲気ではありませんでした。

それでも、大楠の前まで行くと空気が少し変わりました。

長い年月そこに立ち続けてきた大きな幹。

人がどれだけ増えても、周囲の風景がどれだけ変わっても、この木そのものが持つ落ち着きは変わらないように感じます。

むしろ私は、

「この大楠が、最後の砦のようにこの場所を守っているのかもしれない」

と感じました。

少し大げさかもしれません。

でも、この大楠がなかったら、今の来宮神社は私には「人気の観光スポット」という印象のほうが強く残ってしまったかもしれません。

それほど、この木の存在感は圧倒的でした。

来宮神社でのお水取り

今回の目的だったお水取りにも向かいます。

来宮神社では、お水取り1回につき1,000円の初穂料が必要です。

まず社務所で初穂料を納めてから、お水をいただきます。

お水取りの場所はすぐに分かるのですが、ただ経路上分かりにくいのが

湧水があるのは、鳥居を入って本殿へ向かう途中。つまり、社務所より手前にあります。

そのためでしょうか。

初穂料が必要なことに気づかず、そのままお水を汲んでいる方も何人か見かけました。

もちろん、人のことですから私がどうこう言うことではありません。

でも、それを見ながら、なんとなく、

「大事なところが抜け落ちてしまっているような……」

という気持ちになりました。

お水を「もらう」のではなく、

その土地や神様から、ありがたくいただく。

お水取りをしている私にとっては、その気持ちも含めてひとつの行為なのだと思っています。

初穂料を納め、私もありがたくお水をいただいてきました。

「また来たい?」と聞かれたら

来宮神社を出たあと、再び来宮駅へ。

ところが帰りも電車の時間とタイミングが合わず、結局、熱海駅までタクシーに乗ることになりました。

そこで、また運転手さんと来宮神社の話になりました。

その方が言った言葉が、印象に残っています。

「経営的にはすごい神社だと思いますよ。でも、神社としてはどうなのかなぁ」

そして、

「昔は家族に連れられて来宮神社に来るのが楽しみだったんですけどね。今は地元の人はあまり来ないかな」

とも。

これはあくまで、その運転手さん個人の感想です。

ただ、私が境内でなんとなく感じていたものと少し重なるところがありました。

今回、お水はありがたくいただきました。

でも、

「また来たい?」

と聞かれたら。

今のところは、

「もういいかな」

というのが、率直な気持ちです。

次は伊豆山神社へ

そんな話をしていたら、運転手さんが教えてくれました。

「静かにお参りしたいなら、伊豆山神社がいいですよ」

その方自身も、心を鎮めたい時には伊豆山神社へ行くのだそうです。

好きな本を一冊持って。

行きは上り坂なのでタクシーで向かい、奥宮までお参りする。

そこで静かに本を数ページ読んで、気持ちが落ち着いたら、帰りは下り坂なので歩いて帰る。

途中で走り湯に寄って一休みしてから戻る。

「それがおすすめです」

とのことでした。

なんだか、その過ごし方がとても素敵に思えました。

観光名所を次々に回るのではなく、

神社まで行って、

お参りをして、

静かな場所でほんの少し本を読む。

そして歩いて山を下りる。

それだけ。

次に熱海を訪れる時は、私もそんなふうに伊豆山神社へ行ってみようと思います。

今回の来宮神社では、少し複雑な気持ちも残りました。

でも、そのおかげで次に行きたい場所と、次にしてみたい旅の過ごし方が見つかりました。

旅って、こういう予定外の出会いや会話があるから面白いんですよね。

次は、お水取りの後泊まった温泉旅館のご紹介です。

そこの展望露天風呂が最高に気持ち良かったです!