会津若松ひとり旅、2日目。
飯盛山で白虎隊十九士の墓、さざえ堂、戸ノ口堰洞穴を巡ったあとは、まちなか周遊バス「あかべぇ」に乗って、次の目的地「御薬園」へ向かいました。
この日は朝から、雨が降ったり止んだり。
飯盛山を歩いているときにも傘を開いたり閉じたりしていましたが、御薬園に到着したころも、空はまだどんより。

正直なところ、来る前は、
「薬草園がある庭園……ちょっと地味なのかな?」
なんて思っていました。
ところが。
気がつけば、2時間半も滞在していました(笑)。
今回の会津旅の中でも、思いのほか心に残った場所です。
御薬園は、会津藩ゆかりの庭園
御薬園は、江戸時代を代表する大名型山水庭園で、現在は国の名勝に指定されています。
その歴史は古く、室町時代にこの地に別荘が建てられたのが始まりとされ、その後、会津藩主・保科正之が庭園を整備。薬草の栽培も行われるようになり、「御薬園」と呼ばれるようになりました。あいず観光
園内の中心にあるのが、「心字の池」。
その池を囲むように庭園が広がっています。

派手な観光施設ではありません。
でも、池、松、石、建物。
それぞれが静かにそこにあって、歩いているだけでなんだか気持ちが落ち着いてきます。
雨が降ってきたので、御茶屋御殿でひと休み
園内を歩き始めたところで、また雨。
そこで、無理して歩き回らず、御茶屋御殿で少し休むことにしました。

御茶屋御殿は、かつて藩主たちも庭園を眺めた場所。
現在もここから庭園を眺めながら休憩でき、公式観光案内では抹茶をいただくこともできます。あいず観光

畳敷きの部屋に、赤い腰掛け。
古い木の柱や建具がそのまま残っていて、外の庭園とはまた違った時間が流れています。
そして、何よりよかったのが――
ここから見る庭園。

これが、本当に素晴らしかった。
雨に濡れた庭の緑が一段と濃く見えて、池の水面も静か。
晴れていたらすぐに外へ出ていたかもしれません。
でも、この日は雨が降ったからこそ、ここに腰を下ろして庭をゆっくり眺める時間ができました。
旅先では「雨=残念」と思ってしまいがちですが、
雨の日には、雨の日にしか見られない庭園がある。
そんなことを感じました。

雨が止んだので、庭園を散策
しばらく休んでいると、雨が止みました。
「今だ!」
と外へ(笑)。

御薬園は、中心にある心字の池の周囲を歩いて巡れる庭園です。
池の中島には、茅葺きの楽寿亭があります。
楽寿亭は、かつて藩主や藩の重臣たちが休息や茶席などに使ったと伝えられている建物です。会津若松市
さきほど御茶屋御殿の中から眺めていた庭を、今度は外から歩いてみます。
同じ庭園なのに、見る位置が変わるだけで景色がまったく違う。
池の水音や木々のざわめきを聞きながら、のんびり歩きました。
ちょうど蓮の花が咲いていました
そして、この日とても印象に残ったのが蓮の花。

訪れたのは8月。
蓮の季節も終盤でしたが、まだきれいな花が残っていました。
淡いピンク色。
近づいて見ると、花びらの一枚一枚に細い筋が入っていて、とても繊細です。

そして花の中心には、独特な形をした花托。
正面から見ると、また全然違った表情。
何枚も写真を撮ってしまいました。

雨上がりだったこともあって、花や葉がしっとりしていてきれい。
「庭園を見に来た」というより、このあたりからもう完全に植物園を楽しむ気分になっています(笑)。
思いのほか楽しかった薬草園
そのまま園内を歩いて、薬草園へ。

ここも、来る前は正直なところ、
「薬草がずらっと植えられているだけかな?」
と思っていました。
ところが、これが意外と面白い。
植物の横には名前が表示されていて、
「あ、これ知ってる!」
「これも薬草なんだ」
と、一つひとつ見ながら歩いていると、なかなか前に進みません(笑)。
御薬園では江戸時代から薬草の栽培が行われており、現在も薬用植物などを見ることができます。薬草園を含む区域も国指定名勝の構成要素になっています。あいず観光

整然と作られた植物園というより、草木の間の小道を歩いていくような感じなのも私にはよかったです。
知っている植物を見つけると嬉しいし、知らないものは名前を見て「へえ〜」となる。
こういう場所、結構好きかもしれません。
「ちょっと寄るだけ」のつもりが2時間半
御薬園に入ったときには、こんなに長くいるとは思っていませんでした。
庭園を見て、
雨宿りをして、
また庭を歩いて、
蓮の写真を撮って、
薬草の名前を眺めて……。
気づけば、約2時間半。
有名観光地を次から次へと回る旅も楽しいけれど、こういう場所で何もしない時間を過ごすのもいいですね。
特にひとり旅だと、
「そろそろ次へ行かなきゃ」
と誰かに合わせる必要もありません。
気に入った場所なら、好きなだけいればいい。
御薬園は、そんなひとり旅の楽しさを感じられる場所でした。
最後に、お土産ショップにも立ち寄ってみて
園内を一通り歩いたあとは、お土産ショップへ。
ここも、買い物をする予定がなくても入ってみてほしい場所です。
私が訪れたときには、御薬園で採れた薬草を使ったお茶を振る舞ってくださいました。
御薬園の売店では現在も薬草茶や会津の民工芸品などが販売されています。あいず観光
庭園や薬草園を歩いたあとに飲む薬草のお茶。
「あの草もこういうふうにお茶になるのかな」
なんて思いながらいただくと、御薬園で過ごした時間が最後につながるような感じがしました。
お土産を買う・買わないにかかわらず、ぜひ覗いてみてください。
会津若松で「何もしない時間」を楽しみたい人におすすめ
御薬園を一言で表すなら、
「のんびりしたい人に、とてもおすすめの場所」
です。
さざえ堂のような「一度は見てみたい!」というインパクトのある観光地ではありません。
でも、
雨宿りしながら庭を見る。
花を眺める。
薬草の名前を読んでみる。
池のほとりを歩く。
お茶を飲む。
そんな時間が、とても心地よかった。
最初は「地味なところかな」と思っていたのに、結果的には2時間半。
今回の会津若松旅で、いい意味で一番予想を裏切ってくれた場所だったかもしれません。
飯盛山で歴史に触れたあとに、静かな御薬園でひと休み。
この組み合わせも、とてもよかったです。
そして、御薬園をあとにした私は……
次のお楽しみ、田季野のわっぱめしへ向かいます。
会津若松2日目、まだまだ食べます(笑)。
御薬園
御薬園は会津若松市花春町にあり、現在の公式案内では8:30〜17:00(最終入園16:30)、入園料は大人330円。まちなか周遊バスでもアクセスできます。料金や営業時間は変更されることがあるため、訪問前に公式情報をご確認ください
